精神科学教室 医局員の声

きみあきの休み時間 4th 教科書

2016.01.28

 仕事場の机に、本や教科書を置かない。そのせいで、空席かと思われている節がある。だからなんとなく白衣を飾ったり、紙を適当に散らかしたりして、ここ使ってますよとアピールすることにしている。

 教科書は、いちおう、家で読んでいる。いちおう、と言うのは、教科書はエビデンスが低いということになっているので、あんまり大威張りしても仕方がないかな、という気持ちからである。

 昨年、徳島の学会で成田義弘先生を見た。それで成田先生の著書である『精神療法を学ぶ』(中山書店)を買ってきて、読んだ。あやうく全文に傍線を引きそうになった。

 それと全然関係なく、同じ頃、『方法としての面接』(土居健郎、医学書院)を読んでいた。文体が気になる。初版が昭和52年。いや、もっと昔だろう、と思っていたら、正体は夏目漱石だった。明治時代である。「彼岸過迄」が引き合いに出されている。もうそれが気になって仕方がない。結論を言うと、「彼岸過迄」を買って読んだ。面白かった。

 『精神療法を学ぶ』にも、「三四郎」の話が出てくる。みなさん、好きなのですね漱石が。仕方ないから「三四郎」も読んだ。高校生の頃、新潮文庫の字体が妙に丸っこかった時、あの時は全然意味がわからなかったのに、いま読んだら面白かったよ。それから「それから」と「門」をくぐり抜けたのは言うまでもない。

 さてこういう散文もいいが、そろそろ論文ぽい文体を研究しようと思っている。

 

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