精神科学教室 主任教授

「外来患者に生活支援・ケアマネジメントサービスはどの程度必要か」臨床精神医学 第43巻第7号 2014年7月

2014.07.31

帝京大学附属病院のデイケアスタッフと医師で研究調査したものをまとめました。

下記の抄録をご覧ください。関心をお持ちの方は是非ご一読下さい。

抄録:都市部の大学病院で16カ月間の新規外来患者全員を対象に、生活支援・ケアマネジメント必要度調査を実施した。551名の新規患者で除外基準該当者を除いた365名 66.2%のうち、社会生活や日常生活の障害、家族や環境との車L礫などにより,生活支援やケアマネジメントのニーズのある人(生活支援必要度得点4点以上)は51名 14%であった。4点以上の人の割合と,性別。年齢。ICD-10による診断分布には関連がみられず、気分障害でも高得点の者がいた。4点以上で介入に同意した11名では、精神症状と生活の障害とが関連し、 これまで周囲や専門家の援助を十分受けられていなかった。外来で援助者との関係性を紡ぎながら、 どのような支援が必要か、そして何を本人が希望するかを検討し、支援計画を立てていくことが必要であろう。医療と福祉の統合的な実施体制や、生活支援を医療で行う根拠(精神疾患すなわち脳機能の異常と,生活や環境との関連性の明確化)が求められている。

臨床精神医学43:1063~1074

 

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