精神神経科学講座 同門会 会員専用ページ
第12回同門会会報

挨 拶
同門会会長 利田 周太
今年は例年以上に猛暑が続き、やっと季節が秋めいてきました。しかし、秋らしい秋でなく、台風の襲来等、天変地異を思わせる今日この頃です。
同門会は本年で12回を数えます。昨年度からは、ご案内の通り、医局のホームページが一新され、同門会会員専用サイトも、引き続き充実させてまいります。是非皆様アクセスしてください。
本年度も無事同門会が開催されたことに関して、開催の準備をして下さいました池淵 恵美教授をはじめ、現役の医局員の先生方に御礼を申し上げます。また、同門会総会で帝京大学精神神経科初代教授でありました風祭 元先生に「帝京精神科開設初期の思い出」を講演して頂くのは楽しみです。
次に本年度も数多くの先生方に集談会で講演して下さり、いずれも日常臨床に役立つ内容でした(詳細は帝京大学精神科学教室ホームページを参照)。尚、集談会は、同門会活動の1つとして位置づけられております。今後とも、沢山の同門会会員の先生方に御出席を賜れば幸いです。
この度、第12回同門会総会・懇親会が開かれますが、故郷への回帰と甘え、ご存分に味わいましょう。今後の更なる諸先生、諸先輩方の御活躍、御発展をお祈りします。]
病棟医長就任の挨拶
病院教授 林 直樹
この度,2013年8月1日をもちまして秦孝憲先生の後任として帝京大学病院の精神科病棟医長を拝任いたしました。責務の重大さに改めて身の引き締まる思いでおります。
すでに病棟で気持ちよく仕事をさせていただいています。もともと12階西は,じっくり診察をすることができる,とても働きやすい場だと感じていました。佐藤師長を始め病棟スタッフには,丁寧な対応で病棟の安定感を支えてくれていますし,「患者さんのために」という見地からいろいろな無理をきいていただいています。病棟には,あたたかみと清潔感が備わっています。もちろん個室が少ないなどの不足の点はいくつかありますが,それを補いながら,これまで充実した臨床活動が展開されてきました。
病棟には,今後多くの実現するべき課題があります。まず,12階西に集まっている多くの将来を嘱望される若い病棟スタッフ,若い医師たちの方々の学び・経験の場として病棟を十分に役立てることは特に重要な課題です。そこでは,どれだけ有意義な臨床経験,研究活動を積み重ねることができるかということが問われることになります。「患者さんに高度で良質,安全な医療を提供する」,「患者中心の医療を実践する」という帝京大学病院の運営方針は,そのための一つの土台として位置づけることができるでしょう。同時になるべく多くの患者さんを受け入れて,病院経営の健全化に貢献することも重要です。さらに他にも,チーム医療を洗練させること,地域・病診連携の実践,等など,達成するべき課題が多々あります。
今後順調に行かないこと,困難に遭遇することもあろうかと思いますが,病棟スタッフと力を合わせてそれを乗り切ろうと考えております。同門会の皆さまには,少しでもよりよい医療の実現を追求することを通じて,少しでも多くお役に立てればという思いでおります。どうかよろしくお願い申し上げます。

同門会員の近況
2013年7月に中山書店から「精神科医遍歴五十年」を出版しました。http://www.nakayamashoten.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-521-73769-0
運動器症候群(ロコモティブシンドローム)のため外出が不自由です。
風祭 元
本年3月で常勤職は退職しました。まだ厚労省科研費研究の代表の仕事が来年6月まで続きますが以後は自由な生活を楽しみたいと思っています。
開原 久代
変わりありません。
松下 昌雄
元気にやっています。皆様によろしくお伝え下さい。
加藤 進昌
病院の改築があり忙しく働いています。http://www.aobahp.or.jp/
菅野 道
晴和病院、土田病院などで週4日の臨床を続けています。
広瀬 徹也
山頂が紅葉してきました。同門会の発展をお祈りします。
中野 明徳
4月より、土田病院勤務となり、通勤がずいぶん楽になりました。
渡辺 洋文
今春、JR駒込駅近くで開業しました。http://www.t-youmei.com/
木村 武登
同門会当日、公開講座最終日にあたっており欠席失礼申し上げます。今年から3年間で世界精神保健日本調査セカンドを実施中です。
川上 憲人
寄る年波を切実に感じるこの頃です。
菱沼 洋子
変わりなくやっております。池淵先生はじめ医局の皆様には大変お世話になっております。
篠原 隆
3月に帝京大学を辞し、4月から同門会会長 利田周太 先生 のお招きにより医療法人社団 利田会の顧問に就任いたしました。(http://www.shuai-sugamo.jp/clinic_introduct.html )また同時に青木病院(理事長 青木浩子先生 平成元年入局)に院長として勤務いたしております。(http://www.aoki-hospital.jp/index.html) 久しぶりの臨床で、いろいろ驚かされることが多く、拙訳書「統合失調症がよくわかる本」が机上の空論であるのか考えさせられているところです。ぜひ懇親会でお話できればと思っておりましたが、やむをえぬ先約のため欠席します。
南光 進一郎
帝京科学大学作業療法学科は、2年連続国家試験合格率100%です。
鈴木 幹夫
おかげ様で大過なくやっております。学会活動は日本女性心身医学会が中心になっています。
相良 洋子
先端放射線がん治療装置サイバーナイフはフル稼動しております。
村田 憲一
風祭・渕野両先生の講演を聴講したいので、今回の同門会総会に参加します。
小林 暉佳
余りにも動かない生活はナマケモノの様です。体重は8月に記録を更新。食べ過ぎと体重のせいで激しい腰痛。可愛らしい女医さんのアドバイスで空腹時間延長ダイエットを試行中。効果はありそうです。
野口 昌孝
那須で広野地のすぐ近くにPIGEONというヴィンテージオーディオのお店を始めました。marantz,McIntosh,QUAD等、真空管アンプに興味のある方は遊びに来て下さい。レコードも聞けますよ。TANNOY autographもあります。(0287-74-6811 チエノワ内)
上妻 英正
医局ホームページ拝読し、皆様の御活躍うれしく思います。建物もすっかり近代的になり昔の面影が消え寂しく思うのは年のせいでしょうか?色々ストレスばかりの毎日ですが何とか前進せねばと思う毎日です。これからもよろしくお願い申し上げます。
江渡 篤子
返信が遅れ申し訳ありません。当日は新しい病院勤務先の初日で18時まで仕事のため参加できません。
鈴木 英世
皆様のおかげでもうすぐ開院二周年です。今後ともよろしくお願い申し上げます。http://www.akabane-kokoro.com/greeting/index.html
坪倉 正明
さいたま市にてアルコール治療も含めた地域精神科医療を行っています。http://www.yonochuoh-hosp.or.jp/yonohtml/aisatsu.htm
関場 秀高
4児の父となり、体力勝負と痛感し、今年6月の誕生日から1時間のランニングを自分に科しています。今のところ辛うじて、続いております。杉並近辺で夜な夜な、辛そう走っているのは私かも…
李 一奉
ご無沙汰しております。私は、秋元病院(http://www.akimoto-hospital.com/)で外来、病棟、当直、
印牧 奈美
H25年度は、B型事業所を開設しました。統合失調症の方々の就労の足掛りを又、ひとつ拠点としてやっていこうと思っています。http://www.hida-c.com/index.html
肥田 裕久
子育てで忙しく、今回は参加出来ません。幹事の方々、お疲れ様です。
小川 杉子
かわりなくすごしています。
伊藤 拓
今秋、第2子(男児)が誕生し、悪戦苦闘の日々です。
齋藤 紀子
救急科に来院した自殺企図したケースなどを診ています。毎日が勉強になっています。今度共宜しくお願いします。
松村 謙一
帝京平成大学臨床心理学研究科(専門職課程)附属臨床心理センターでは大変お世話に成り深く感謝いたしております。http://www.thu.ac.jp/univ/grads/re.html」
中谷 三保子
認知症の入院が増え、必然的に身体合併症管理に忙殺されています。精神科医のアイデンティティが…。http://www.ootaki-hp.jp/
プライベートでは子育て奮闘中です。かわいいけど大変ですね。
茂木 伸一
医療法人社団 平成医会(理事長 島田 潔)のもとで、メンタルクリニックの院長に就任することになりました。
伊藤 直
心理相談室を開室しています。http://www.nishishinjuku-psyc.jp/staff
小西 健
毎週ポリクリと再来でお邪魔しています。
安西 信雄
平成6~7年にお世話になりました。平成3年帝京大卒で、
秋月 誠一
都立小児総合医療センターへの研修最後の年です。
鈴木 雅弘
毎日、寺では壇家さん方の相談や悩み事を聞いています。
岡本 結美
ご縁があり、今年度より帝京大学医療技術学部視能矯正学科に非常勤講師として籍を置かせていただいております。
唐沢 佐和子
書籍紹介
「彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか?」 竹村道夫 監修
竹村道夫先生が監修された「彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか?」が4月に刊行されました。風祭元先生の書評が「心と社会」 No 152 2013に掲載されています。

『彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか』
竹村道夫 監修、河村重実 著
帝京大学名誉教授・元都立松沢病院院長 風祭 元
万引きは、店頭などから商品を無断で持ち去る窃盗行為で、従来は「欲しいものを金がないので盗む」という「財産犯」と考えられていたが、近年は「十分なお金を持っているのに些細なものを盗む」という万引きが急増している。これは見かけは窃盗であるが、実は「窃盗癖(クレプトマニア)」と呼ぶべき一種の精神病的依存症であると考える人が多くなった。本書は、このような人たちに対して、万引きを依存症と見なして、精力的に精神医学的接近に取り組んだ依存症治療専門病院の活動を、当事者とその家族の立場から詳しく述べている。
本書は、窃盗癖と摂食障害、摂食障害と窃盗癖の基礎知識、クロスアディクション(多重嗜癖)の仕組み、治療者と治療施設、集団療法と自助グループ、再犯時の法律活動と弁護活動、窃盗癖治療などの章から成っており、豊富な症例が提示されている。
治療の舞台となっている赤城高原ホスピタルは、元来はアルコール依存症の治療を目的として設立された開放型の精神科病院であったが、ある時期から女性の摂食障害の入院患者が多くなり、それと同時に病院内外の窃盗の被害が増加したことで、病院は摂食障害と窃盗癖との深い関係に気付かされたのだという。これを契機に、万引きを伴う摂食障害を、依存症の治療モデルとして治療を開始した。
治療の中心は、窃盗行為の自己申告、行動制限などの厳重な管理的対応の下に行われる集団精神療法と自助グループヘの参加で、退院後も治療者への定期的なメール報告が義務付けられている。入院する患者の中にはすでに万引き行為で起訴されているものも少なくないので、その場合は法的な考慮も必要になる。治療中の患者のドロップアウトは最終的には8割近くと推定され、治療の転帰はなかなかきびしいものであることが示されている。しかし、これらの患者は微罪で起訴されなければ摂食障害は治らずに万引きを反復し、受刑しても治療的な接近は皆無である。摂食障害と窃盗癖との関係は、昨年の精神神経学会のシンポジウムでも取り上げられている精神医学の新しいひとつの局面であり、本書はそ の実践の記録として、メンタルヘルス関係者に一読を勧めたい。
(飛鳥新社、四六判、288頁、定価1,600円+税、2013年)
2013年4月27日の朝日新聞に広告が載りました。
2013年6月2日に朝日新聞に書評が掲載されました。BOOKasahi.comのwebでもご覧になれます。
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2013060200012.html
なお、ご紹介した「心と社会」の巻頭言を広瀬徹也先生が書かれていらっしゃいます。
巻頭言 アンチスティグマ国際学会に想う
(公財)神経研究所・晴和病院顧問
広瀬徹也
今年の2月に東京で開かれた第6回WPAアンチスティグマ分科会国際会議(実際の運営は高橋清久会長以下、佐藤光源、秋山剛、樋口輝彦、下寺信次氏ら各委員長の指揮による)は当事者、家族なども含め予想を上回る6百人近くが集まり、内容的にも参加していて記念碑的な価値と成果があったと実感できた。世の中には様々のスティグマがはびこり、その除去には長い時間とエネルギーを要する闘いが求められてきたが、とりわけ精神障害はその歴史が即スティグマとの闘いの歴史といってよいほどである。
私もシンポジウムの一つで日本の闘いの歴史の1例として、日本精神衛生会の前進団体である精神病者慈善救治会の活動を報告したので、その一部をここに紹介する。精神病者慈善救治会は明治35年(1902年)呉秀三夫人呉皆子の主唱により医科大学教授など著名人夫
人が中心となって結成され、3年後には大隈重信夫人の大隈綾子が会長になったことで示されるように、女性が前面に出て、男性は賛助会員として背面から支援する構成であった。もちろん黒子的とはいえ、実際の指導者は呉秀三東京帝国大学教授であったのであり、彼が前首相の大隈重信伯爵(のち侯爵)を担ぎ出し、その夫人を会長に据えたことが成功の一因であったと思われる。
精神病者慈善救治会という名称が示すように、その活動は精神病者への慈善から始まった。資金集めに慈善音楽会、観劇会、舞踏会や園遊会が開かれ、それには華やかな名流夫人が中心となることが最もふさわしかったと言えよう。その資金で精神病院での患者向けの慰問演芸会が開かれ、菓子やラジオなどの慰問品も彼女らの手仕事を含む努力で、公費の入院患者を中心に届けられた。彼女らは病院のレクリエーション活動にボランティァとして参加もしたという。
その他、松沢病院や東京帝国大学医科大学精神科での外来施療、精神衛生啓発活動として講演会や会報の発行などがあった。そして忘れてはならないのが1916年の東京帝国大学医科大学への13床の精神病室の寄贈である。それまで東京帝国大学は官制スティグマの最たるものとして、大学内に精神病室を置くことを禁上してきたからである(府立巣鴨病院が精神科附属病院でもあった)。外来こそ漸く1914年に大学内にできたものの、呉教授の再三にわたる大学当局への働きかけでも叶わなかった大学内病室は精神病者慈善救治会の寄付病室が突破口を開き、呉の死後1934年に至って漸く大学構内に正式な病室ができたという経緯がある。なお1921年精神病者慈善救治会は精神病者救治会に名称を変更、さらに1927年には救治会となった(その後精神厚生会を経て1952年日本精神衛生会誕生)。当初公費入院患者への慈善活動から始まったのは自然の経過とはいえ、今風に言えば上から目線の“慈善"が会の名称からはずれたのは活動の発展のあかしであろう。
呉が大限重信という大物政治家を担ぎ出し、名流夫人らを前面に出したことは当時としてはアンチスティグマ戦略と言う点でも大きな成功といえる。大物政治家といえば米国大統領ジョンF。ケネディが1963年に「精神病及び精神遅滞に関する大統領特別教書」を発表して、長年彼らを無視してきたことを率直に認めて反省し、病院のケア水準の向上は勿論、病院から地域でのリハビリテーションをうたったことはアンチスティグマと言う観点からも画期的価値があったことを強調したい。我が国の為政者にも同様なことを望みたいものである。
大物政治家の関与に次いで精神障害のアンチスティグマに効果を発揮するものに有名人のcoming outがある。躁うつ病では古いところでは作家北杜夫氏の功績は大きいものがあった。近年は多くの有名人がcoming outした上、講演や著作で啓発活動を行っているのは誠に心強い。統合失調症関係では少なくなるが、ノーベル経済学賞受賞者であるJohn Nash博士が行い、“Beautiful Mind"という映画にもなったことは大きなインパクトがあった。実際映画のアンチスティグマ効果は大きく、きょうされんが作成した和歌山県田辺市の麦の里での実話の映画化“ふるさとをください"も英語版やスペイン語版が作成されるほど成功した。
このようにアンチスティグマ対策も様々なものがありうるが、病気に限ると、難治とされた病気が治療法の開発によって治るようになれば、自然に解消するはずである。ハンセン氏病はその好例であろう。一方、治療成績に顕著な変化がなくとも、頻度が増えてcommon dis-ease化するとスティグマの度合いが減少することもまた事実である。受診者が100万人を超えたと報告され、職場や家庭にも珍しくなくなった昨今のうつ病がそれに該当しよう。高齢社会における認知症もその様相を帯びてきている。 ,
ところでうつ病については、スティグマが減ってきたといっても油断はできない。勤労者が休職した場合、一定期間の体職で完全復帰できればスティグマも完全に解消されようが、復職後間もなくして再発したり、本来の能力がなかなか回復しないとなると、そこに新たなステイグマが生ずるおそれがあるからである。うつ病の勤労者の復職後の経過、予後は本人や会社の利益に関わるだけでなく、うつ病のスティグマにも影響することを治療者は念頭におくべきであろう。
ところでうつ病と診断されて精神科病院の外来に通院することには抵抗を示さない人も、入院となると途端に閾が高くなるのは何故であろうか。かつての精神病院のイメージを刻印した閉鎖病棟や保護室などがない、明るい開放病棟を見学して貰っても入院に同意しない人に数多く接して、その壁の高さを痛感させられてきた。精神病院にまつわる長年のおぞましい歴史が系統発生的に我々の脳に刷り込まれているのかと思うほどである。これも今後長く続くアンチスティグマの闘いの標的であろうか。
病院教授就任の挨拶
林 直樹
2013年4月1日より帝京大学精神科のメンバーに加えていただきました。現在は,池淵教授の下で臨床や研究にじっくり取り組むことができる環境に身をおくことの幸せをかみしめながら毎日を送っています。また,その折々に感じるのは,精神科医局の方々の穏やかさや温かさです。同門会会長の利田周太先生が近年の会報でそのような雰囲気が帝京大学精神科の伝統であり,癒されるものだと記されているのを,「なるほどなあ」と頷きながら読みました。私もその一員として癒されたいと思いますし,伝統の継続に貢献することを志したいと思います。
私には,東京都の精神科病院・研究施設に長く勤めていたという経歴がありますので,大学病院に来て,毎日が発見の連続です。帝京大学病院と前任地とは,組織の在り方,目指すところが相当に違っています。大学病院という環境から学ぶことがたくさんあります。また,予想していたことではありますが,医局に若い人々が多く集まっていることを目の当たりにして,卒前・卒後の教育が医局における重要な責務であることを実感しています。
最近の研究では,2005年から自殺未遂,自傷行為などの自殺関連行動についての調査を進めてきました。ずっと長く関心を抱いてきた境界性パーソナリティ障害については,自殺関連行動で入院した患者のフォローアップ研究の中で彼らが自殺に終わる比率が高いことが判明したのを機にして,2010年から一般の人々や患者さんの家族,精神保健スタッフに広くメッセージを発信することを心がけています。このような研究・活動の流れは,今後とも継続・発展させていきたいと考えています。
まだ,帝京大学病院という場において自分の働き方を形作ることがこれからの課題という段階ではありますが,どのような形であるにせよ同門会の皆さまの活動に貢献したいと念じております。ご指導,ご鞭撻のほど,どうかよろしくお願い申し上げます。
准教授就任の挨拶
栃木 衛

本年4月よりお世話になっております栃木衛と申します。私は平成11年に東京大学医学部を卒業し、東京大学医学部附属病院精神神経科に入局、その後は福島県にある針生ヶ丘病院、東京武蔵野病院などで臨床医としての研鑽を積みつつ、東大病院では中ベン・オーベンとして後進の指導にあたってきました。研究では帝京の同門でもいらっしゃいます佐々木司先生(現・東京大学大学院教育学研究科教授)のご指導を入局直後より頂くことができ、統合失調症、パニック障害、自閉症などの疾患の遺伝研究や、統合失調症の冬季出生季節性の研究などに携わってきました。平成19年に学位を取得した後は、平成20年から22年にかけてカナダ・トロントのCentre for Addiction and Mental Health(Petronis教授)に留学して参りました。昨年、東大精神科の新人歓迎会で池淵先生にお声をかけて頂いたのがきっかけとなり、赴任させて頂くこととなりました。
帝京の精神科は風祭元先生をはじめとし、広瀬徹也先生、南光進一郎先生と、私から見るとまさに日本の精神医学の重鎮とも言える先生方が担ってきた教室であり、赴任にあたっては私では少々荷が重すぎるのではないかと不安に思うところがありました。しかし、半年以上がたち、周囲の先生方のサポートを頂きながら環境になじんでくるにつれ、次第に状況も理解できるようになり、少しずつ自信をもって仕事に取り組めるようになっていると感じています。
赴任してみて、帝京の医局では「地に足のついた」臨床が行われているというのが現在までの率直な感想で、これは池淵先生のご指導の成果ではないかと感じています。一方で、医学部全体で行われているグローバルスタンダードに対応したカリキュラム改訂や、研究環境の整備など、今現在まさに取り組む必要のある課題や、また人手不足という構造的・組織的な問題を抱えたままで日々の臨床や教育をこなしていかなければならないという各医局共通の悩みがあることにも直面し、ただ環境になじんでいるだけでは許されないということをひしひしと感じています。もとより限界のある存在ではありますが、同門の諸先輩方のご指導を頂きつつ、可能な限り医局の発展に力を尽くすことによって、患者さんや社会全体に役立つことができればと考えております。何卒よろしくお願い致します。
編集後記
10月も後半になり秋らしい秋というより寒さが身にしみる季節となりました。諸先生・諸先輩方におかれましては、益々御清栄のこととお慶び申し上げます。月日が経つのも早く、我々も同門会発足の頃は、電気痙攣療法の機械として、パルス波治療器が導入したと思えば、つかのまに経頭蓋磁器刺激療法が開始する、今日この頃と感じております。
帝京大学精神神経科同門会が発足し、12回目の同門会を迎えました。この12 年間にも内外にも様々な変遷があり、教育関連病院、同門会の諸先生方との結束・連携を今まで以上に強化し、日常業務等を円滑に運営していくのは重要なことと我々一同考えております。今後も会員の皆様にはさらなる活発な御意見を受け賜りたく、御指導・御支援の程を鞭撻下さるようお願い申し上げます。今回、名簿の編集も含め、秘書の安永さん、島崎さんを始め、医局の諸先生方にも編集の際には御手伝い頂きました。この場をかりて感謝を申し上げます。
なお、会員名簿につきましては、正確を期すように心がけておりますが、転居、勤務先変更、誤記、乱雑等がございましたら、医局、同門会まで御一報下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。また、人事往来、記事などがありましたら、当教室まで御一報頂ければ幸いです。
最後になりましたが、同門会会員、教育関連病院ならびに御家族、職員の皆様方の今後の御健康繁栄をお祈りし、編集後記とさせていただきます。
平成25年10月29日
帝京大学医学部精神神経科学教室同門会事務局
・教室員一同/松村 謙一





